日本心臓血管外科学会雑誌
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反復する鈍的外傷が誘因と考えられた真性上腕動脈瘤の1手術例
脇田 昇志田 力顔 邦男寺本 忠久
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1992 年 21 巻 5 号 p. 479-483

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抄録

症例は42歳女性, 約2年前より左上腕部の膨隆に気づくが, 無症状のため放置していた. 最近, 腫瘤の増大と拍動に気づき, 血管造影にて左上腕動脈瘤と診断された. 手術所見では動脈瘤壁は全層認められ, 真性動脈瘤と診断, 動脈瘤切除, 大伏在静脈による血行再建術を施行した. 病理組織学的には, 中膜の弾性線維の走行の乱れ, 断裂, 内膜のコレステロールの沈着を認めた. 患者は約5年前よりバレーボールを始めており, 初期には上腕にボールを当て, 内出血を思わせる皮膚変化をきたしたことが数回あった. このような鈍的外傷が動脈壁の動脈硬化様変化を招き, 動脈瘤を生じたものと考えられた. 鈍的外傷による真性上腕動脈瘤の報告はほとんどなくその病理所見とともに報告する.

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