日本心臓血管外科学会雑誌
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動脈グラフトのみを用いたCABG手術の検討
高橋 賢二長尾 好治成田 敦志岩渕 知
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キーワード: 動脈グラフト
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1994 年 23 巻 3 号 p. 161-166

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抄録
当科ではCABG手術に際し可能な限り動脈グラフトを用いて手術を行う方針であるが, 今回1988年10月より1992年8月までの約4年間における動脈グラフトのみを用いてCABG手術を行った96症例につき検討を加えた. 男女比は64:32で平均年齢は63.2歳である. 内訳は1枝バイパス56症例で, 56枝に56本のグラフトを, 2枝バイパスは18例で36枝に34本のグラフトを, 3枝バイパスは16例で48枝に42本のグラフトを, 4枝バイパスは6例で24枝に16本の動脈グラフトを用いた. 96症例に採取した148本の動脈グラフトはすべて使用可能であった. RITAは41本を43枝に, LITAは68本を72枝に, RGEAは39本を49枝に使用した. 手術死亡は2例 (2.0%) であった. 術後グラフト造影を行った135本, 146枝のうち, 133本 (98.6%), 142枝 (91.3%) が開存していた. 内訳はITA100本中98本 (98.0%), 105枝中102枝 (97.1%) の開存率で, RGEAは35本中35本 (100%), 41枝中40枝(97.6%) と良好な開存率であった.
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