日本心臓血管外科学会雑誌
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人工弁置換術後急性心不全に対するIABPの適応
IABP離脱可能症例とその限界について
平野 顕夫久冨 光一田山 栄基大橋 昌敬磯村 正小須賀 健一大石 喜六
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1994 年 23 巻 3 号 p. 191-195

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抄録

人工弁置換術施行例において, 体外循環離脱時, および術後補助循環として intra-aortic balloon pumping (IABP) を施行した症例について, 適応および, 限界について検討を行った. その結果, 長期間心不全を有する心臓弁膜症に対する人工弁置換術後の急性左心不全に対するIABPの効果は, 術中, 術後の冠不全に起因する術後-過性の心機能低下症例に対しては有効かつ適切な補助循環であった. しかし, 心内操作の不備や不十分な心筋保護のために長時間の体外循環を余儀なくされた症例, また, 術前の右心不全が術後も遷延する症例では限界があり, これらの症例に対しては, むしろ左心バイパスおよび, 両心バイパス等の高度な補助循環が必要であると考えられた.

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