日本心臓血管外科学会雑誌
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腹部大動脈瘤における無輸血手術の検討
鎌田 典彦山田 知行中本 進青嶋 實安藤 史隆
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1994 年 23 巻 3 号 p. 196-199

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抄録

Cell saver 装置を導入した1989年から1992年までの非破裂性腹部大動脈瘤30例 (輸血群13例, 無輸血群17例) を対象にして無輸血手術に関し検討を加えた. 手術死亡はなく無輸血手術率は57%であった. 6例 (20%) で回収式自己血輸血を行い, 3例で無輸血手術に有効であった. 輸血群と無輸血群において術前ヘモグロビン量, 術前ヘマトクリット値, 瘤最大径, 出血量で有意差 (p<0.05) を認めた. 積極的な回収式自己血輸血の併用で無輸血手術率の向上が可能であると考えられた.

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