抄録
開心術後7日目以降に外科的心嚢ドレナージを施行した22例 (開心術全体の1.9%) を対象とし, 心嚢液の性状が血性で心嚢液のヘマトクリット値が患者血液のヘマトクリット値の50%以上をB群 (7例), 50%以下のものをD群 (9例), 淡血性 (漿液性) のものをE群 (6例) に分けて検討した. B群はE群と比較して, 術後抗凝固療法の使用頻度が高く (100% vs 37%, p<0.05), トロンボテストが低下(15%以下) したものが多く (71% vs 17%, p<0.05) 体外循環時間が長い傾向にあった (260±74分 vs194±49分, p<0.05). 抗凝固療法の使用は, 心嚢内出血が原因と考えられる遅発性心タンポナーデの危険因子となりうる.