日本心臓血管外科学会雑誌
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吻合部動脈瘤についての検討
銭 水賢岩井 武尚
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1997 年 26 巻 6 号 p. 371-375

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抄録
吻合部動脈瘤は動脈再建術後の合併症の一つである. 過去14年間に東京医科歯科大学第1外科にて経験した腹部大動脈-大腿動脈領域の吻合部動脈瘤13例22個の成因, 診断, 治療と予防などについて検討した. 吻合部動脈瘤は閉塞性動脈疾患の鼠蹊部, 端側吻合部位で多発しており, 発生まで平均期間は40.6か月であった. 全例仮性動脈瘤でその成因としては宿主動脈の変性が18個85.7%と最も多かった. また, 末梢 runoff の悪さなどが瘤の発生に関与すると考えられた. 瘤破裂, 末梢動脈塞栓は重篤な合併症であり早期診断と治療が成績向上につながると考えられた.
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