日本心臓血管外科学会雑誌
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右傍胸骨小開胸によるLVAS装着
田中 常雄大川 育秀外山 真弘橋本 昌紀石田 成吏洋松本 興治
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キーワード: 右傍胸骨小開胸
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2000 年 29 巻 6 号 p. 393-395

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抄録

症例は, 62歳男性. 仕事中, 突然意識消失となり当院に搬送された. 来院後心臓マッサージ下にPCPSを開始した. 緊急冠動脈造影では, LMTとLADに狭窄がみられたため, これらの部位に intervention を行った. しかしその後も, 左室機能が改善しないため, 入院3日目にLVASを装着した. 術式: 右傍胸骨小切開にて開胸した. まず心房間溝の剥離を行い右側左房を露出し脱血管を挿入した. ついで, 上行大動脈を部分遮断し, 送血管を縫着した. その後, 左室機能は徐々に改善し装着後9日目に離脱した. しかし, 離脱後2日目に不整脈にて死亡した. 本法は, 小切開で行い得るため, 術中, 術後の出血量は少なく有用な方法であると考えられた.

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