2001 年 30 巻 2 号 p. 86-88
症例: 77歳, 男性. 15年前に3CABG (SVG-LAD, SVG-RCA, SVG-OM) が施行された. その後SVG-RCAとSVG-OMの閉塞による狭心症が再発し, 3年前に再CABG (LITA-OM, RGEA-RCA) が施行された. このときLADへのSVGには graft disease は認められなかった. 6カ月前より狭心症が出現し, 冠状動脈造影の結果LADへのSVGの graft disease が認められた. その後, 患者は不安定狭心症に陥ったため, 左鎖骨下小切開と左前胸部小開胸によるSVGを用いた心拍動下, 左腋窩動脈-冠状動脈 (LAD) バイパス術が行われた. 術後, 狭心症は消失し, グラフト造影でも良好なグラフトの開存が確認された. 再々CABGを必要とした症例でSVGを用い, inflow を左腋窩動脈に求めた axillo-coronary bypass を, MIDCABを応用した術式で行い, 有用であったので報告する.