日本心臓血管外科学会雑誌
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上行大動脈高度動脈硬化症例に対する心室細動下僧帽弁形成術ならびに冠動脈バイパス術
吉戒 勝濱田 正勝村山 順一蒲原 啓司久松 泰
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2002 年 31 巻 3 号 p. 233-235

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抄録
症例は76歳,男性.左内頸動脈狭窄症に対する頸動脈内膜剥離術(carotid enaarterectomy: CEA)を先行させ,二期的に開心術を行った.大動脈造影CTおよび術中の大動脈超音波検査にて上行大動脈に高度の動脈硬化性病変を認めた.体外循環の送血を右腋窩動脈に吻合した人工血管より行い,中等度低体温,心室細動下に僧帽弁形成術と冠動脈バイパス術を施行した.脳合併症を併発することなく術後経過は順調であった.上行大動脈高度動脈硬化性病変を有する症例に対し僧帽弁手術を行うさい,腋窩動脈送血による体外循環,心室細動下での手術操作は,脳合併症を回避するために有効である.本方法の有用性,問題点に関し考察を加え報告する.
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