日本心臓血管外科学会雑誌
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炎症性総腸骨動脈瘤により両側尿管狭窄をきたした1例
深田 靖久松居 喜郎田辺 達三安田 慶秀
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2002 年 31 巻 4 号 p. 274-277

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抄録
症例は71歳.男性.腹痛を主訴に当院を受診した.腹部CTで炎症性総腸骨動脈瘤を両側に認め,左右の尿管は肥厚した動脈瘤壁に巻き込まれていた.尿路造影で両側の水腎症を認めたので,術前に尿管ステントを留置したのち,Y型人工血管置換術および尿管剥離術を施行した.尿管は動脈瘤壁に強固に癒着していたが,尿管ステントをガイドに剥離可能であった.術後の尿路造影では両側とも尿管の通過性は良好であり,水腎症は改善していた.炎症性動脈瘤により癒着した尿管の剥離には術前の尿管ステント挿入が有用であった.
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