抄録
症例は53歳,女性.22年前の31歳時に大動脈閉鎖不全のためBjörk-Shiley convexo-concave(B-SCC(21mm))弁による大動脈弁置換術を当科で施行した.そのさい,臨床症状ならびに肺の組織診断を行い,Swyer-James症候群と診断した.以後他院での通院加療となっていたが,僧帽弁閉鎖不全兼狭窄症が発症し,心不全症状を呈して入院した.手術適応と判断し,低肺機能のSwyer-James症候群患者に,2度目となる開心術で,僧帽弁置換術を行った.同時にB-SCC弁は構造上問題があるとされ患者の了承を得て大動脈弁に予防的再弁置換を行った.