日本心臓血管外科学会雑誌
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ESWL(体外衝撃波結石破砕術)が原因と考えられた腹部大動脈仮性瘤の1治験例
平野 弘嗣安達 勝利天白 宏典佐藤 友昭佐々木 俊哉矢田 公
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2003 年 32 巻 2 号 p. 116-119

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抄録
今回われわれは本邦初と思われるESWL(体外衝撃波結石破砕術)が原因と考えられた腹部大動脈仮性瘤の1治験例を報告する.症例は47歳の男性.7年前より再発する両側腎・尿管結石にて当院泌尿器科にて治療を受けていた.この間,計10回のESWLを受けた.最近になり腰部から仙骨部にかけて痛みが出現したため,腹部CT撮影を施行したところ,最大径5.3cmで,大動脈の背面に嚢状に突出する形状をした腎動脈下腹部大動脈瘤を認めた.術中所見では動脈瘤の内部の大動脈後壁に3×1cmの裂孔が存在し,同部より大動脈の背面に嚢状瘤を形成していた.本症例は腎・尿管結石に対し,頻回にESWLを受けており,ESWLが腹部大動脈仮性瘤の原因として考えられた.
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