日本心臓血管外科学会雑誌
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大動脈解離術中に生じた広範囲脳梗塞に開頭外減圧術・軽度低温療法を試行し救命した1例
野口 学柴田 隆一郎岩松 みよ子
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2003 年 32 巻 3 号 p. 148-151

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抄録
症例は56歳,女性.DeBakey I型の急性大動脈解離に対し選択的脳分離体外循環法で弓部大動脈部分置換術を施行した.術後,頭部CTで右大脳半球の広範囲な梗塞,正中線偏位,右鉤回ヘルニアを認め,開頭外減圧術を施行した.ひき続き中等度脳低温療法(直腸温34℃)を開始.左片麻痺あるものの意識清明となり全身状態改善し術後147日めに退院となった.急性大動脈解離手術中に発生した広範囲脳梗塞に対する開頭外減圧術と軽度脳低温療法の併用は,有用で比較的安全に試行可能であった.
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