日本心臓血管外科学会雑誌
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大動脈炎症候群の左冠動脈主幹部完全閉塞に対して,カフ付きPTFEカーボングラフトを拡大用パッチとして用いて左冠動脈主幹部の血管形成を行った1治験例
三隅 寛恭村田 将光吉村 芳弘山崎 暁出田 一郎上杉 英之下川 恭弘平山 統一
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2004 年 33 巻 3 号 p. 216-219

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抄録
大動脈炎症候群に伴う冠動脈病変で,左冠動脈主幹部病変を伴うことはしばしばみられるが,これに対する冠動脈バイパスを含めた手術成績は,いまだ安定した成績が得られていない.症例は,左冠動脈主幹部(LMT)の完全閉塞をきたした大動脈炎症候群の39歳,女性.手術は,先端にカフ付きのカーボンコーティングを施したPTFE人工血管(Distaflo)を用いて,大動脈からLMTにかけて,大きく血管拡大形成術を行い,左冠動脈の良好な血流を得ることができた.術直後,半年後の造影検査でも良好な開存性を得ることができ,患者は順調に社会生活に復帰できた.本疾患の手術術式について,若干の文献的考察を加え検討したので報告したい.
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