日本心臓血管外科学会雑誌
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両側心房内を占拠した血管肉腫に対する外科治療
菊地 慶太幕内 晴朗村上 浩小林 俊也近田 正英鈴木 敬麿安藤 敬千葉 清
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2006 年 35 巻 1 号 p. 25-28

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抄録
症例は喀血で発症した48歳の男性.胸部CT検査で,両側心房および心房中隔に発生した心臓悪性腫瘍とその肺転移と診断した.左房内腫瘍がきわめて大きく,心腔内閉塞による突然死の予防と病理診断を目的に手術を行った.腫瘍は右房から心房中隔を経て左房内を占有していた.肺静脈を含めた左房の一部を残し,残りの左房壁とほぼすべての心房中隔,右房壁を切除後,ウマ心膜で両側心房と心房中隔,上下大静脈を再建した.病理検査の結果は血管肉腫であった.術後第22病日に軽快退院し,その後,血液腫瘍内科に入院しInterleukin-2(IL-2)投与を行ったが,術後第107病日に死亡した.近年,血管肉腫に対する放射線療法やIL-2による治療の有用性が報告されている.自験例のように原発巣の完全切除が可能な症例は,可及的早期に原発巣を切除して病理診断を行い,術後に放射線療法やIL-2投与などを行うことで,治療の可能性が広がる.
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