日本災害医学会雑誌
Online ISSN : 2434-4214
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調査報告
高齢者の熱中症による入院費用とエアコンの電気料金を用いたエアコン使用促進方法の検討
紅粉 美涼中井 寿雄
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2022 年 27 巻 1 号 p. 13-17

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抄録

東京都をモデル地区として、2017年6–9月に高齢者がエアコン未使用で熱中症を発症し救急搬送され2日間入院した場合の費用と、暑さ指数25°C以上の時間にエアコンを使用した場合の電気料金の推計値との差を求めた。医療費の1割負担額と電気料金の差は6月8,067円、7月−3,840円、8月−2,625円、9月6,528円、2割負担額との差は、6月16,917円、7月5,010円、8月6,225円、9月15,378円、3割負担額との差は6月25,766円、7月13,859円、8月15,074円、9月24,227円と推計された。負担額内のエアコン利用のカットオフ時間値は1割が305.2時間、2割が655.5時間、3割負担者が915.5時間だった。高齢者にエアコン使用を促す際は、入院を契機をとした基礎疾患の悪化のリスクや、入院期間の延長の可能性を合わせて情報提供する必要がある。経済的に余裕がない者は、カットオフ時間数を参考にした過度な節約に注意が必要と考えられる。

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© 2022 一般社団法人日本災害医学会
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