2022 年 27 巻 1 号 p. 4-12
【背景】DMATが2005年に発足したが、看護師の記録・分析する仕組みは十分に整っていない。【目的】DMAT看護師が対応した災害急性期の看護診断から災害急性期の看護ニーズおよび看護師の役割・機能を明らかにする。【方法】東日本大震災および熊本地震で被災地に派遣されたDMAT看護師を対象にオンライン調査を実施した。【結果】回答数355件のうち、看護診断まで回答した110件を有効回答とした。看護診断は218例が報告され、「非効果的健康維持」が29例、「非効果的自己健康管理」が23例と、「ヘルスプロモーション」領域の診断名が上位を占めた。218例のうち震災関連は155例だった。【考察】災害の種類や規模が異なるが、「非効果的健康維持」が最多であり、発災前から「ヘルスプロモーション」領域でのリスクを抱えている人が多く、被災によりそのリスクが明瞭化された傾向があると考える。【結語】DMATの看護師にも「ヘルスプロモーション」領域の課題対応が求められていると示唆された。