【はじめに】原発立地・隣接道府県の防災計画は、類似が多く地域特性が考慮されていない。各原発周辺の地域特性を調査し、類似する内容の防災計画の是非と改善策を検討した。【方法】令和2年国勢調査を用いて各PAZ/UPZ内人口と世代別割合を調べた。また原発周辺地域での過去20年の要配慮者等の変化を検討した。【結果】多くの原発周辺で急激な人口減少と高齢化が進んでいた。要配慮者等の割合もすべてで増え続けていた。【考察】原子力災害では直接的傷害よりも長期避難による社会的な影響が大きい。その場合の要配慮者とは社会的に排除された人達と考える。彼らは社会との接点を失い、容易に切り捨てられてしまうかもしれない。本研究で要配慮者が地域人口の半数に迫ることが示され、自助・共助が難しくなると考える。原子力防災を考えるうえでは、事前対策の段階から彼らを包摂し地域社会のコミュニティ力を高めるような方策が必要である。