2025 年 30 巻 3 号 p. 105-112
【背景・目的】COVID-19流行期でのDMATの活動は所属施設の「施設内」における感染制御部門と連携した活動および、「施設外」に派遣下での活動がある。これらの活動の実態を明らかにする。【方法】県内DMAT保有医療機関14施設に対するアンケートおよび県からDMAT支援先に関するデータの取得。【結果】「施設内」での活動では、33.3%の施設が院内でのCOVID-19患者(疑い含む)発生時にDMATの「関与あり」と回答し、最も多かった内容は「人員調整」で33.3%であった。「施設外」の活動では、高齢者施設が派遣先として最多で58.9%であった。【考察】「施設内」活動は、人員調整や指揮命令系統確立などの災害対策本部機能の補助が主であり、感染症パンデミック時は災害対策本部の設置により感染制御部門とDMATとの連携が促進される可能性がある。「施設外」活動では高齢者施設への支援のニーズが高く、備えが必要である。