【背景】地震は発生直後から心理的側面の崩壊を及ぼすが、その期間に被災者の心理状態を調査した文献は少ない。【目的】熊本地震発生後1週間における被災者の心理状態を明らかにする。【方法】2016年4月15~22日に発行された熊本地震に関する新聞記事を質的分析した。【結果】「命が助かったことに安堵」「日常生活を喪失したことによる不安感」「非日常的な生活に対するつらさ」「体調が悪化するのではないかという不安」「身近な人の安否や健康への心配」「想像を超える被害に混乱」「地元の象徴が損壊したことによる衝撃」「さらに被害が拡大する可能性への恐怖」「繰り返す揺れで心が折れて逃げ出したい気持ち」「被災者同士で支え合い、役に立ちたいという気持ち」「家族・身近な人・ボランティア・ペットに支えられ乗り越えたい気持ち」「わずかでも回復する日常に安堵」「身近な人の死に対する動揺と自責の念」の13カテゴリーが抽出された。