歯科材料・器械
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原著
純TiおよびTi-6Al-4Vの既製ポストとしての適合性 : 第1報 機械的性質ならびにメタルコア鋳接性
田島 清司横山 有紀深水 康寛柿川 宏村上 要小園 凱夫
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1991 年 10 巻 2 号 p. 275-280

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抄録
Ti-6Al-4V合金の既製ポストへの適応性を機械的性質ならびにメタルコア鋳接性の点から他の市販既製ポスト(純Ti, ステンレス鋼, Ni-Cr合金)と比較検討した.引張, 曲げおよび硬さ試験の結果, 機械的性質の面からTi-6Al-4V合金素材の既製ポストとしての適合性は純Ti, Ni-Cr合金やステンレス鋼より優れていることが示された.一方, Ti-6Al-4V合金には加熱による伸びの著しい低下が1, 000℃で認められたが, 引張強さへの影響は少なく, 加熱されたときでも他の素材の受け入れ状態の引張強さを上回っていた.Ti-6Al-4V合金のNi-Cr合金やAg合金コアメタルとの鋳接性は純Tiと同様で, 他のステンレス鋼やNi-Cr合金ポストに比べて良好であった.以上の結果から, Ti-6Al-4V合金の既製ポストとしての適合性は優れており, 鋳接との併用もできる有効な素材であることが示唆された.
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© 1991 一般社団法人 日本歯科理工学会
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