歯科材料・器械
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原著
純TiおよびTi-6Al-4Vの既製ポストとしての適合性 : 第2報 培養細胞に対する毒性
横山 有紀田島 清司深水 康寛柿川 宏村上 要内山 長司小園 凱夫
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1991 年 10 巻 2 号 p. 281-285

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抄録
生体への安全性から, 当講座では純TiおよびTi-6Al-4V合金の既製ポストとしての適応性を検討しており, 第1報では機械的性質においてTi-6Al-4V合金がNi-Cr合金, 18-8ステンレス鋼ならびに純Tiよりも優れた金属材料であることを報告した.本報では, 生体適合性を考察するために, 細胞毒性試験を行い, これらのポストとNi-Cr合金, 18-8ステンレス鋼ポストとを比較し, さらにAg合金コアを鋳接した場合の影響を調べた.Ni-Cr合金および18-8ステンレス鋼ポストでは, Ag合金を鋳接することによってポストからの成分元素の溶出が促進され, これらが細胞に毒性を示していた.一方, 純TiおよびTi-6A-4V合金ポストでは, Ag合金を鋳接してもポストからの成分元素の溶出はみられず, 細胞への毒性を最小限に抑えられる金属素材であることがわかった.
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© 1991 一般社団法人 日本歯科理工学会
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