抄録
3種のグラスポリアルケノエートセメント硬化物の研磨面が, -150℃に冷却した状態で試料にダメージを与えないようにクライオSEMにより観察された.次いで, セメント試料の元素分析がEDXにより行われた.得られた研磨面の反射電子組成像が画像処理装置に移され, コアとマトリックスの面積比が算出された.1.セメント研磨面はクライオSEMを用いることにより, 試料にダメージを与えることなく明瞭に観察された.2.画像処理により得られたcore対matrix比は, Fuji Ionomer Type II-Fが3:7, HY Bond Glas Ionomer-Fが3.6:6.4, Ketac-Filが4.3:5.7であった.3.EDXにより検出された元素は, Fuji Ionomer Type II-FとKetac-FilがAl, Si, Caであり, HY Bond Glas Ionomer-FがAl, Si, Sr, Caであった.