抄録
TEGDMAを主成分とした光重合ボンディングライナーの長期接着耐久性欠如の原因を解明する目的で, 長期水中浸漬した光重合したTEGDMA硬化体の機械的性質の変化を検討した.還元剤をN-フェニルグリシン(NPG)または4-N, N-ジメチルアミノ安息香酸エチル(EDMABA)とし, 1日から1年にわたり所定期間水中浸漬した試料の圧縮強さ, ダイアメトラル引張強さおよび吸水率, 残存モノマー率, ペンダント二重結合率を調べた.二種の還元剤を用いて光重合したTEGDMA硬化体はいずれも吸水によりその機械的性質が低下し, 接着試料の水中における長期接着耐久性が劣る原因は吸水によることが明らかとなった.