歯科材料・器械
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原著
プラスチック翼を用いたエアタービンハンドピースの試作
菊地 聖史高久田 和夫宮入 裕夫
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1992 年 11 巻 2 号 p. 374-378

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抄録
エアタービンハンドピースに代表される歯科用切削機械は, 患者の口腔内で使用され感染の媒体になり得ることから, その滅菌は臨床上の重要な問題である.しかしながらハンドピースは精密機械であって高温に対する耐久性は望めず, 滅菌操作の繰り返しによりハンドピースに不具合が発生することは免れ得ない.この問題に対する最終的な解決策は, ハンドピースのディスポーザブル化であるが, 回転機構をどう作るかが問題となる.そこで本研究では前報の軸受機構に引き続き, ロータの翼部分をプラスチックで製作し, 回転性能を調べてハンドピースへの応用の可能性について検討した.その結果, プラスチック軸受を使用した場合においてプラスチック翼ロータの回転速度はアルミ翼ロータに比べ若干低かったが, 停止トルクはアルミ翼ロータに比べ遜色なかった.また起動・停止に要する時間はプラスチック翼ロータの方がアルミ翼ロータより短く, 応答性の向上がみられ, エアタービンハンドピースのタービン翼にプラスチックを用いることは十分な可能性があることがわかった.
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© 1992 一般社団法人 日本歯科理工学会
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