歯科材料・器械
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原著
重合開始部位を制御した重合システムによる金属床義歯の適合性
(第2報) 純チタン鋳造床義歯について
寺岡 文雄北原 一慶杉田 順弘木村 博
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1993 年 12 巻 3 号 p. 321-325

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抄録

DSシステムで作製した純チタン鋳造床義歯の適合性を, 湿式重合, 低温長時間重合および常温重合で作製したものと比較検討した.
鋳造した純チタンの曲げ比例限と弾性係数はそれぞれ68.4kgf/mm2と12, 400kgf/mm2であった.ヌープ硬さ(KHN)は表面付近と内部とで約250であった.DSシステムで作製したチタン床義歯の口蓋部での間隙は床の厚さが増加すると減少し, 明確な相関関係が見られた.また, 床辺縁部での間隙は約0.10mmで, 他の重合方法で作製した場合の1/2から1/3であり, 適合性は優れていた.片側咬合テストにおいて口蓋部と反対側の床辺縁部の浮き上がりは, DSシステムの場合には共に0.1mm以下であった.しかし, 常温重合, 低温長時間重合, 湿式重合の場合の浮き上がりは, 片側咬合テスト前の2倍から3倍になった.

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© 1993 一般社団法人 日本歯科理工学会
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