歯科材料・器械
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12 巻, 3 号
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原著
  • (第2報) 純チタン鋳造床義歯について
    寺岡 文雄, 北原 一慶, 杉田 順弘, 木村 博
    1993 年12 巻3 号 p. 321-325
    発行日: 1993/05/25
    公開日: 2018/04/05
    ジャーナル フリー
    DSシステムで作製した純チタン鋳造床義歯の適合性を, 湿式重合, 低温長時間重合および常温重合で作製したものと比較検討した.
    鋳造した純チタンの曲げ比例限と弾性係数はそれぞれ68.4kgf/mm2と12, 400kgf/mm2であった.ヌープ硬さ(KHN)は表面付近と内部とで約250であった.DSシステムで作製したチタン床義歯の口蓋部での間隙は床の厚さが増加すると減少し, 明確な相関関係が見られた.また, 床辺縁部での間隙は約0.10mmで, 他の重合方法で作製した場合の1/2から1/3であり, 適合性は優れていた.片側咬合テストにおいて口蓋部と反対側の床辺縁部の浮き上がりは, DSシステムの場合には共に0.1mm以下であった.しかし, 常温重合, 低温長時間重合, 湿式重合の場合の浮き上がりは, 片側咬合テスト前の2倍から3倍になった.
  • 泊 昌人, 松川 正一郎
    1993 年12 巻3 号 p. 326-335
    発行日: 1993/05/25
    公開日: 2018/04/05
    ジャーナル フリー
    靱性の高いレジン硬化物を得るために, 主鎖にソフトセグメントであるポリブタジエン鎖を有する3種類の多官能性ポリブタジエンメタクリレート(BdPMA), すなわち, ブタジエンジメタクリレート(BdDMA), ブタジエンテトラメタクリレート(BdTMA)およびブタジエンヘキサメタクリレート(BdHMA)を合成した.MMAとの共重合体およびMMA, エポキシジメタクリレート(EpDMA)からなる3成分系共重合体を作製し, その共重合体の曲げ強さ, 衝撃強さを検討した.
    MMA-BdPMA共重合体はいずれのBdPMAにおいても濃度が増すにつれて曲げ強さ, たわみ量とも上昇し, 0.3〜0.5 mol%で最大値を示した.衝撃強さはBdPMA濃度が1 mol%で17〜20 KJ/m2と最大値を示した.
    また, MMA-EpDMA-BdPMA 3成分系共重合体においてはMMAを90 vol%含む系でBdPMAを添加することでたわみ量が増大し, モノマー組成がMMA 89.55 vol%, EpDMA 9.95 vol%およびBdTMA 0.5 vol%のとき, 衝撃強さが約21 KJ/m2と最大値であった.
  • 中里 隆志, 時崎 照彦, 住井 俊夫
    1993 年12 巻3 号 p. 336-345
    発行日: 1993/05/25
    公開日: 2018/04/05
    ジャーナル フリー
    耐熱性副模型を用いて作製するオールセラミックス・クラウンの寸法精度を評価する目的で実験を行った.材料には, 市販オールセラミックス・クラウン用陶材4種を用い, それぞれメーカー指示の工程にてクラウンを作製し, 母模型に対する耐熱性副模型およびクラウンの寸法精度を測定し, クラウンの変形をフィットチェッカーおよびバイトチェッカーにて検討した.また, 実験に使用した各種耐熱性模型材および陶材の熱膨張の測定, 焼成した陶材と耐熱性副模型との界面の分析を行った.
    耐熱性副模型は母模型に対し全て膨張傾向を示した.オールセラミックス・クラウンの適合性は耐熱性副模型上で直接クラウンを完成する方式では母模型に対し適度な膨張傾向を示し, 良好な適合が得られたが, 耐熱性副模型上でコアのみを作製する方式のもので焼成温度の高い陶材を用いるものは大きな収縮傾向を示した.この原因としては, 陶材の焼結収縮応力による耐熱性副模型の収縮および陶材と耐熱性副模型との焼付き等にあるのではないかと考えられた.クラウンの変形は耐熱性副模型の変形に主要因があると思われた.
  • 井上 勝一郎, 糸永 昭仁, 鶴田 浩範, 寺尾 隆治, 山下 洋基, 塚田 岳司, 奥 淳一, 有川 裕之, 蟹江 隆人, 藤井 孝一
    1993 年12 巻3 号 p. 346-351
    発行日: 1993/05/25
    公開日: 2018/04/05
    ジャーナル フリー
    義歯床用軟性裏装材6種類の硬さ, 圧縮弾性率が調べられた.使用した測定器は, 口腔軟組織用として井上他(1985)によって設計されたものの改良型である.この装置によって得られた値は, 他の2方法(デュロメーター, オートグラフを使用)で得られた値と比較し検討した.使用した全ての材料で, 硬さ値は硬化後の時間経過に伴ってわずかではあるが上昇した.この結果は, デュロメーターで得られた硬さ値の傾向と良い一致を示した.硬化後24時間37±0.5℃の空気浴中に保存した試験片の圧縮弾性率は, オレフィン系ポリマーでは87.2×106 dyne/cm2, フルオロ系ポリマーでは25.9×106 dyne/cm2となり, また, シリコーン系材料では3.58×106と26.4×106 dyne/cm2, アクリル系材料では4.96×106と6.46×106 dyne/cm2となった.使用した改良型装置は軟性裏装材, 印象材あるいは口腔粘膜組織の機械的性質を調べる上で有用であることが判明した.
  • -処理層および接着破断面の分析-
    倉田 茂昭, 山崎 升
    1993 年12 巻3 号 p. 352-357
    発行日: 1993/05/25
    公開日: 2018/04/05
    ジャーナル フリー
    アルコキシ基およびクロル基のような加水分解反応性の異なる官能基をもつ各シランで処理したガラス面, ならびにそれらシランで処理したガラス面とレジンの接着試験後のガラス側破断面の状態を走査型電子顕微鏡, 走査型トンネル顕微鏡, ラマン分光光度計および高感度反射赤外分光光度計により分析し, シランの加水分解性基の違いによる処理効果の差を解析した.
    その結果, 加水分解性官能基に反応性の高いクロル基をもつ三官能性シランは, 材料表面のシラノール基や水により, 速やかに加水分解に続き縮合反応し, 多分子層を形成し, 材料表面上を均一に覆う.それらの処理剤で処理されたガラス面に対するレジンの接着強さは高く, 熱サイクル2, 000回後の接着試験における破断は, 処理層内もしくは接着材レジンの凝集破壊であった.一方, アルコキシ系シランの加水分解に続く縮合反応性は低く, 接着試験後の破断は, 材料/処理層間の界面破壊が主体と考えられた.
  • 清田 俊一
    1993 年12 巻3 号 p. 358-368
    発行日: 1993/05/25
    公開日: 2018/04/05
    ジャーナル フリー
    本研究は, キャスタブルガラスセラミックスと歯科用セメントとの接着力について検討することを目的としたものである.実験には, キャスタブルガラスセラミックス(リン酸カルシウム系)と, 4種類の歯科用セメント(グラスアイオノマーセメント, ポリカルボキシレートセメントおよび2種類の接着性レジンセメント)を使用した.キャスタブルガラスセラミックスにより円柱状試験体を作製し, 得られた試験体の被着面は, 1.シリコンカーバイドペーパー600番研磨, 2.シリコンカーバイドペーパー120番研磨, 3.アルミナによるサンドブラスト処理, 4.フッ化水素酸によるエッチング処理, 5.化学重合型歯科用ボンディング剤であるクリアフィルポーセレンボンドを使用したもの, 計5条件とした.接着に関しては, 被膜厚さ計を使用して被膜厚さを50μmに設定し, 2つのキャスタブルガラスセラミックスの試験体を接着させ, その後37℃, 湿度100%の環境下に24時間, 1週間, 1ヵ月間および3ヵ月間保存した後, 測定を行った.
    その結果, グラスアイオノマーセメント, ポリカルボキシレートセメントとも, シリコンカーバイドペーパー600番研磨面ではほとんど接着性を示さず, シリコンカーバイドペーパー120番研磨面ではわずかながら接着性を示し, フッ化水素酸によるエッチング処理が最も効果的であった.一方, 接着性レジンセメントでは被着面の処理方法にほとんど関係なく高い接着強さを示した.また, せん断接着強さの経時的変化では3ヵ月間保存後にすべてのセメントの接着強さが減少し, 有意の差が認められた.
  • -CAMシステムについて-
    赤尾 剛, 中村 隆志, 丸山 剛郎, 高橋 純造, 荘村 泰治, 木村 博
    1993 年12 巻3 号 p. 369-373
    発行日: 1993/05/25
    公開日: 2018/04/05
    ジャーナル フリー
    ラミネートベニア修復用CAD/CAMシステムのCADシステム(第2報)に引続き, ABS樹脂を用いてラミネートベニアシェルを切削法で製作するCAMシステムを開発した.CAMシステムの開発にあたっては, 補綴物の内面と外面の切削の位置合わせのために精密バイスを利用し, 被削材として20.0×30.0×25.0 mmの直方体に成形したABS樹脂ブロックを使用した.また, 切削工具には直径2.0, 1.0, 0.5 mmボールエンドミルを, それぞれを粗加工, 中間加工, 仕上げ加工に用い, 工具オフセットをZ方向に工具の半径分の距離だけ与える簡易オフセット法を考案した.その結果, ラミネートベニアの唇面, 内面の切削が行え, その適合性も良好なラミネートベニアシェルを製作することができた.
  • -初期細胞数と細胞回復時間について-
    松本 良造, 今井 弘一
    1993 年12 巻3 号 p. 374-392
    発行日: 1993/05/25
    公開日: 2018/04/05
    ジャーナル フリー
    細胞死に至らない細胞障害を評価し得る細胞回復度試験法を確立するために, L-929細胞とHEp-2細胞の2種類の株細胞に対して, 温度変化(4, 40, 43, 46および49℃), 水素イオン濃度の変動(pH=3, 4, 5, 6)ならびに金属イオン(Ag, Pd, Cu)の3種類の細胞障害因子を作用させ, その際の初期細胞数, 作用時間ならびに細胞回復時間への影響をしらべた.温度変化の影響については, 40℃で最も軽微な細胞回復度への影響にとどまった.しかし, 4℃, 43℃, 46℃の順に作用時間が長いほど細胞回復度の著しい低下をきたし, 49℃ではほとんど細胞回復を認めないまでになった.以上の結果は4日間あるいは7日間の細胞回復時間, 4段階の初期細胞数(2×104, 5×103, 1×103, 3×102 cells/ml)あるいは両細胞種間に認められ, 互いに有意な差は認められなかった.水素イオン濃度の変動の影響については, pH=6ではほとんど認められず, pH=5では両細胞および4日間ならびに7日間の細胞回復時間とともに, 作用時間が長くなるにつれて, しかも初期細胞数が少ないほど細胞回復度が低下した.pH=3および4ではほとんど細胞回復が認められなかった.Agでは0.01 ppm以上でイオン濃度が上昇するにつれて, 作用時間が長いほど, しかも初期細胞数が少ないほど両細胞で細胞回復度が低下した.とくに5 ppmおよび10 ppmでは著しい低下であった.Pdでは0.5 ppm以上, Cuでは0.5 ppmあるいは1 ppm以上のイオン濃度で類似の結果であった.
  • 林 純子, 今井 昇, 山中 信幸, 廣瀬 英晴, 西山 實
    1993 年12 巻3 号 p. 393-398
    発行日: 1993/05/25
    公開日: 2018/04/05
    ジャーナル フリー
    床用金属(Co-Cr系合金2種, Ni-Cr系合金1種)とLTVビニルシリコーンゴム(以下VS)との接着にマイクロ波を応用し, 技工操作時間を短縮した場合の接着強さについて, 従来の温水浴加熱法を対照として検討した.その結果, マイクロ波加硫の接着強さ(14〜29 kgf/cm2)は, いずれも温水浴加熱加硫のそれと比較して, 同等もしくは大きな値であった.マイクロ波加硫による接着強さは, 照射時間が長いと大きな値を, また, VSの厚さが小さいと大きな値を示すことが判明した.さらに, 接着強さの大小は, 床用金属の種類よりは, VSの種類に影響されることが判明した.
  • 川島 功, 荒木 吉馬, 大野 弘機
    1993 年12 巻3 号 p. 399-405
    発行日: 1993/05/25
    公開日: 2018/04/05
    ジャーナル フリー
    Ag-25 mass% Pd-10%Cu合金に0.01 mass%のAlを添加した場合の粒界反応の抑制効果を, 電気抵抗測定, 光顕観察, 硬さ測定およびSEM観察により検討した.粒界反応は0.01%のAl添加により顕著に抑制された.この場合, ノジュールは400℃, 103 min後でも出現せず, 1%のSnを添加した場合よりも抑制効果は大であった.
  • 藤沢 盛一郎, 菰田 泰夫, 門磨 義則
    1993 年12 巻3 号 p. 406-411
    発行日: 1993/05/25
    公開日: 2018/04/05
    ジャーナル フリー
    ユージノールおよびその関連化合物の生体系における活性を分子レベルで明らかにするため, ユージノールおよびその関連化合物(グアヤコール, フェノール, サフロール)とジパルミトイルフォスファチジルコリン(DPPC)の相互作用を示差走査熱量計(DSC)および核磁気共鳴(NMR)スペクトルで研究した.
    グアヤコールおよびサフロールに比較して, ユージノールは相転移温度を著しく低温シフトさせた.このことはフェノール性水酸基とDPPCコリン酸性基および疎水性アリル基とDPPCアシル基との相互作用にもとづくものである.DPPC/ユージノール(2:1モル比), DPPC/コレステロール/ユージノール(2:1:1)リポソームの1H-NMRスペクトルを研究した.ユージノールのシグナルは広い温度範囲(18〜52℃)でブロードになった.18℃のリポソーム系でこのシグナルは有意差をもって高磁場シフトした.ユージノールはDPPCリポソームと強く相互作用することが明らかになった.
  • 今井 弘一, 中村 正明, 孟 愛英, 張 彩霞
    1993 年12 巻3 号 p. 412-417
    発行日: 1993/05/25
    公開日: 2018/04/05
    ジャーナル フリー
    日本および中華人民共和国で用いられている10種類の歯科用金属材料を人工唾液で抽出し, その抽出液による2種類の細胞の細胞回復度を調べた結果, Co-Cr合金, Ag-Pd-Au合金, Ag-Zn-In-Sn合金, Ag-In-Zn合金およびTi-Al-V合金では細胞回復度への影響はほとんど認められなかった.また, Ni-Cr合金ではわずかに低下した.これに反して, Cu-Al-Ni合金では細胞回復度はきわめて低くなった.原子吸光光度計による金属溶出量の結果は, 細胞回復度を裏付けるものであった.以上の結果から, 人工唾液で抽出した後の細胞回復度試験法は, 歯科用金属材料の生体内腐食や摩耗と細胞との関係をしらべる上でも示唆を得られることが明らかとなった.
  • 斎藤 康雄, 堀田 邦孝, 相馬 邦道, 中林 宣男
    1993 年12 巻3 号 p. 418-423
    発行日: 1993/05/25
    公開日: 2018/04/05
    ジャーナル フリー
    歯質に対し, より為害性の少ないエナメル質酸処理法の探索を目的として, ヒトエナメル質清掃研磨面に対する低濃度リン酸エッチングの有効性について検討を行った.試料としてヒト小臼歯表面を用い, ハイドロキシアパタイト粒子を研磨成分とした清掃研磨剤で清掃研磨し, 各種濃度(3, 5, 10, 65 wt%)のリン酸にて30秒間エッチングを行った後, 4-META/MMA-TBBレジンを接着した.接着試験の結果, 5 wt%リン酸の場合で, 65 wt%リン酸の場合と有意差のない11 MPaという安定した高い引張接着強さが得られ, 4-META/MMA-TBBレジンのヒトエナメル質清掃研磨面への接着において, 低濃度リン酸エッチングの有効性が見出された.
  • 濵野 徹
    1993 年12 巻3 号 p. 424-434
    発行日: 1993/05/25
    公開日: 2018/04/05
    ジャーナル フリー
    フラビーティシューを有する顎堤の印象採得に使用される印象材のうち, 酸化亜鉛ユージノール(Ha, Me), ポリサルファイドラバー(Su), シリコーンラバー(Co, Xa, Ex, Pr, Si)について, 各種荷重負荷条件下において, また, レオメータならびに応力緩和試験機を用いて, 23℃と37℃あるいは23℃のみでの硬化特性を測定した.
    その結果, 硬化特性は, 系列によって異なり, 同系列内では比較的類似しているが, HaおよびPrは他のものより軟らかかった.
    そこで, Ha, SuおよびPrの硬度特性を比較した.
     1. 練和終了直後の硬さ:Prが最小
     2. 軟らかさの持続時間:Ha>Su>Pr
     3. 操作時間と硬化時間:Prが最小
     4. 硬化反応の急速さ:Ha>Pr>Su
     5. 練和終了直後の荷重依存性:Ha>Pr>Su
     6. 温度依存性:Ha>Su>Pr
    以上の結果から, 術者の臨床経験(印象操作時間, 印象用トレーの圧接力など)が硬化特性に影響すると考えられた.したがって, flabby tissueの印象採得にあたってはこれらの硬化特性に留意して印象材を選択すべきである.
  • (第1報) フィチン酸とフッ化第1錫を組み合わせた前処理剤の効果
    平林 茂, 平澤 忠, 河野 篤, 薄井 秀樹
    1993 年12 巻3 号 p. 435-444
    発行日: 1993/05/25
    公開日: 2018/04/05
    ジャーナル フリー
     歯質接着のための金属イオンによる歯面改善をキレート化剤と金属イオンによる歯面処理から研究した.キレート化剤としてフィチン酸(PYA)を, 金属イオンの供給源としてフッ化第一錫(SnF2)を使用した.これらの処理効果を牛歯象牙質およびエナメル質へのPhoto Bond®の剪断接着強さから評価した.
     3〜10%のPYA溶液で処理後, SnF2の飽和溶液で処理した象牙質に対する接着強さは, 9〜10 MPaの範囲であった.これらの値は, K-etchant®(40%リン酸)で処理された象牙質に対する接着強さと同等であったが, PYA溶液処理のみの象牙質に対する接着強さ(6〜7 MPa)に比較して高かった.5および7%PYA溶液で処理後, SnF2溶液で処理したエナメル質に対する接着強さは, それぞれ16, 18 MPaであった.これらの値は, K-etchantで処理したエナメル質に対する接着強さ(14 MPa)およびPYA溶液処理のみのエナメル質に対する接着強さ(11 MPa)に比較して高かった.これらPYA溶液とSnF2溶液で処理された象牙質およびエナメル質に対する接着強さは, 3, 000回のサーマルサイクル(4-60℃)後も維持されていた.PYA溶液とSnF2溶液で処理された象牙質の表面には, PYAとSn2+のキレート化合物と思われる無数の球状沈着物が観察された.これらの結果は, Photo Bondに含有されるMDPモノマーとSn2+との間の相互作用が接着に寄与していることを示唆しているように思われる.
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