歯科材料・器械
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原著
レジン硬化物の靱性におけるpolybutadiene polymethacrylateの影響に関する研究
泊 昌人松川 正一郎
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1993 年 12 巻 3 号 p. 326-335

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抄録

靱性の高いレジン硬化物を得るために, 主鎖にソフトセグメントであるポリブタジエン鎖を有する3種類の多官能性ポリブタジエンメタクリレート(BdPMA), すなわち, ブタジエンジメタクリレート(BdDMA), ブタジエンテトラメタクリレート(BdTMA)およびブタジエンヘキサメタクリレート(BdHMA)を合成した.MMAとの共重合体およびMMA, エポキシジメタクリレート(EpDMA)からなる3成分系共重合体を作製し, その共重合体の曲げ強さ, 衝撃強さを検討した.
MMA-BdPMA共重合体はいずれのBdPMAにおいても濃度が増すにつれて曲げ強さ, たわみ量とも上昇し, 0.3〜0.5 mol%で最大値を示した.衝撃強さはBdPMA濃度が1 mol%で17〜20 KJ/m2と最大値を示した.
また, MMA-EpDMA-BdPMA 3成分系共重合体においてはMMAを90 vol%含む系でBdPMAを添加することでたわみ量が増大し, モノマー組成がMMA 89.55 vol%, EpDMA 9.95 vol%およびBdTMA 0.5 vol%のとき, 衝撃強さが約21 KJ/m2と最大値であった.

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© 1993 一般社団法人 日本歯科理工学会
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