抄録
歯科鋳造を迅速にする目的で, 市販の急速加熱型リン酸塩系埋没材の特性について検討した. この埋没材の特性と陶材焼付用金合金用の従来型リン酸塩系埋没材と比較したところ, 流動性が大きく, 硬化時の寸法変化が大きく, 加熱膨張がやや小さく, 生型強さがやや小さく, 表面粗さが小さかった. 練和開始30分後から800℃の炉に入れる急速加熱により30分以内で800℃に達した. 得られた鋳造体表面には鋳バリなどは認められなかった. したがって急速加熱型リン酸塩系埋没材を使用することで歯科鋳造の迅速化は可能と考えられた.