歯科材料・器械
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原著
歯科鋳造用銀合金の疲労強度について ― 試片形状と負荷応力の影響 ―
中村 英雄高橋 英和西村 文夫
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1996 年 15 巻 5 号 p. 428-436

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抄録
歯科鋳造用銀合金の疲労強度に及ぼす試片形状と負荷応力の影響を検討した.スクリューを利用したスクリュー型試片と平行部と把持部を有するダンベル型試片で引張試験を, 直方体試片で曲げ試験を行った.ステアケース法を用いて疲労試験を行い, 10^5回に対する疲労強度を求めるとともに, 引張強さおよび曲げ強さを求めた.その結果, スクリュー型試片で疲労強度が58.6MPa, 引張強さが180.3MPa, これらの比が0.325, ダンベル型試片で疲労強度が105.6MPa, 引張強さが193.3MPa, これらの比が0.546, 直方体試片で疲労強度が172.6MPa, 曲げ強さが411.7MPa, これらの比が0.419であった.このことより, 試片形状, 負荷応力が異なると, 疲労強度が異なるだけでなく, 疲労強度の引張強さもしくは曲げ強さに対する比も異なることが判明した.
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© 1996 一般社団法人 日本歯科理工学会
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