歯科材料・器械
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原著
スメクタイト溶液で練和したときのクリストバライト埋没材の諸性質
吉田 隆一岡村 弘行須田 勇己
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1996 年 15 巻 5 号 p. 437-445

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抄録
チクソトロピー現象の大きい合成雲母である, 膨潤性のスメクタイト2種SWN〔Na0.33(Mg2.67Li0.33)Si4O10(OH)2〕, SWF〔Na0.33(Mg2.67Li0.33)Si4O10F2〕をこの実験に用いた.濃度は0, 0.5, 1.0, 1.5, 2.0%と変化させた.これらの液でクリストバライト埋没材を(標準混液比)練和したときの流動性, 硬化膨張率, 熱膨張率, 加熱前後の熱膨張差, 経時的な圧縮強さの変化, 加熱前後の圧縮強さを調べ以下の結論を得た.1.流動性では水が最もよく, 次がSWFであった.SWNは0.5%水溶液でも流動性が小さかった.2.硬化膨脹率では, スメクタイトの濃度が上がると硬化膨張率は大きくなった.また, その効果はSWNの方が大きかった.3.700℃における熱膨張率は水が最も大きく, 次がSWNであった.SWFは熱膨張率が小さくなった.4.圧縮強さではSWNの濃度を増すと強さは下がった.SWFではわずかに上昇した.また, 未加熱試料では濃度が増すと強さは下がり, 加熱試料では濃度が増すと上昇した.
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© 1996 一般社団法人 日本歯科理工学会
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