抄録
アマルガム歯冠修復時のカービング難易性を, 材料の物理的性状の変化から求めるため, 表面性測定機を用いてカービングを行ない, これを数値化した.数値化には, 振動数, カービング力, カービング粗さの3変数を用い, 練和開始から2分〜24時間の経時変化を求めた.さらにカービング針の侵入度を測定し, カービング力との相関を求めた.操作要因の影響については, 水銀-合金比, 練和時間, 充填圧の3要因について, 実験計画法にもとづきL27(313)直交表を用いて, 上記3変数の検討を行なった.
その結果, カーバビリティは3変数により数値化され, 製品ごとの特性を示した.特にカービングの不安定時期が存在し, 球状型合金アマルガムでは, 10分以後にカービングを開始することが好ましいことが認められた.さらに, カービング針の侵入度は, カービング力と正の相関を示し, 操作要因の影響は, 削片型に著しいことが認められた.