歯科材料・器械
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原著
加圧成形ディオプサイド結晶化ガラスの機械的性質に及ぼす結晶化熱処理温度と時間の影響
岩間 宣仁新谷 明喜松田 哲治黒田 芳暁
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2003 年 22 巻 6 号 p. 517-524

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抄録

加圧成形によるディオプサイド結晶化ガラス(CaCO3-MgO-SiO2-TiO2-Al2O3)の圧縮強さ,3点曲げ強さ,ダイアメトラル引張強さに及ぼす結晶化熱処理温度と結晶化熱処理時間の影響を検討した.さらに熱膨張,X線回折,組織観察を行った.圧縮強さは635MPaから1483MPa, 3点曲げ強さは179MPaから422MPa,ダイアメトラル引張強さは19MPaから58MPaの範囲を示し,結晶化熱処理温度と時間の増加により変化した.結晶化状態の観察では,ガラスインゴットは結晶の析出していない均一な組織, 890℃ 1分で1〜2μmの結晶がわずかに析出し,900℃ 30 分で3〜4μmの結晶が折出し, 920℃ 30 分になると10μmとなり,温度と時間の増加に伴い析出数の増加および粒の成長がみられた.

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© 2003 一般社団法人 日本歯科理工学会
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