歯科材料・器械
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原著
アルジネート印象材の寸法安定性に関する研究 : 印象体の厚さ, 直径およびトレーとの保持条件の影響
関口 悦郎
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1988 年 7 巻 6 号 p. 861-874

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抄録
寸法変化のタイプが異なる2種類のアルジネート印象材を使用し, 空気中, 100%湿度中および水中の寸法変化を, 電気マイクロメーターを使用した無加圧直接法で測定した.実験計画法に基づき, 1)印象厚さ, 2)印象直径, 3)トレーとの保持条件の3要因に3水準を設定した.また, トレー保持孔の直径と数の影響についても検討した.すべての要因が有意を示したが, とくに印象厚さの影響が最も強かった.印象厚さが最小のとき, 寸法変化が最小となった.印象直径が最小のとき, 収縮が増加した.トレーによる保持がない条件では, 水中の膨張が増加した.トレー保持孔の直径および数は, それほど大きく影響しなかった.実験結果から, アルジネート印象体は, 厚さ2.5〜5mで最大の広さを有し, 有孔トレーにより保持されている条件で, 寸法安定性が最も高いことが示唆された.
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© 1988 一般社団法人 日本歯科理工学会
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