歯科材料・器械
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原著
チタンの研削に関する研究 : (第2報) アルミナ系の市販ビトリファイドホィール
宮川 修渡辺 孝一大川 成剛中野 周二塩川 延洋小林 正義田村 久司
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1990 年 9 巻 1 号 p. 42-52

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抄録
チタン鋳造体に対する各種アルミナ砥粒の市販ヒドリファイドホィールの研削性能を検討した.切れ味からみると, アルミナ系ホィールの適正な周速度は700m/minの近傍にある.これより低い周速度では主として目づまりのために, 高い周速度ではチタンとの反応による砥粒の化学摩耗のために, それぞれ能率研削ができない.同じA砥粒でも結合度が大きいホィールがチタンの研削に適し, A砥粒よりもWA砥粒のホィールがさらに適している.しかし, アルミナ系ホィールの切れ味は前報で調べた炭化珪素系ホィールのそれに比べて一般に劣る.ホィールを被削材に押しつけるだけの研削ではほとんど削れず, 被削材の送りが炭化珪素系ホィールの場合以上に大切である.ホィールを被削材に押しつけるだけの場合はもちろん, 送り研削でも周速度が高い場合は, 砥粒が化学摩耗するとともに, チタンの研削面は研削焼けをおこして着色した.研削焼け層の主体はチタン酸化物で, その厚さは数μmに達する.
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© 1990 一般社団法人 日本歯科理工学会
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