歯科材料・器械
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原著
チタンの研削に関する研究 : (第1報) 炭化珪素系の市販および試作ホィール
宮川 修渡辺 孝一大川 成剛中野 周二塩川 延洋小林 正義田村 久司
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1990 年 9 巻 1 号 p. 30-41

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抄録
チタン鋳造体に対する炭化珪素砥粒の市販および試作ホィールの研削性能を検討した.GC砥粒のビトリファイドホィールの場合, ホィールの周速度が高いほど, また研削荷重が大きいほど切れ味は良くなるが, 同時にホィールは激しく損耗する.100gf以上の荷重に対して, 研削比はホィールの周速度によらず1に近い値を示した.C砥粒のマグネシアオキシクロライドホィールもこれと同様の傾向である.前に報告したNi-Cr合金以上に, 被削材に送りを与えながら研削することが大切である.ホィールを被削材に押しつけるだけと, 砥粒は化学摩耗し, チタン酸化物の生成による研削焼けのために研削面は着色する.送り研削でも砥粒切れ刃の切りくず生成過程は理想からほど遠く, 研削面は砥粒との反応で汚染される.周速度が高いほど, 多くの切りくずがホィールに粘着して砥粒間隙に堆積し, それが研削面と高速で強く擦れあうために, ホィールを激しく損耗させる.ホィールの損耗により, 切りくずの目づまりと脱落とが繰り返される.
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© 1990 一般社団法人 日本歯科理工学会
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