抄録
もち状レジンの注入機と注入用FRPフラスコを開発して, 注入時の石こう内の流れや圧力を測定し, 作製した義歯の適合性について検討した.バリ取りに平均5分間かかると仮定すると, てん入法ではもち状レジン中のモノマは約10mg/cm2揮発することがわかった.もち状レジンを55kgf/cm2以上の圧力で注入すると, もち状レジンは石こう型内に完全に充てんされた.注入後2分以内に注入口をボルト締めすると圧力は約30kgf/cm2まで上昇した.注入法によるマイクロ波加熱では, 石こう型内の圧力は20kgf/cm2以上に保持された状態で重合されることがわかった.注入法とマイクロ波重合法を組み合わせて作製した義歯の適合性は, マイクロ波重合による片面加熱の場合より2から3倍程度優れていた.