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発達心理学研究
Vol. 25 (2014) No. 3 p. 251-259

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http://doi.org/10.11201/jjdp.25.251

原著

本研究の目的は,高齢者が自分自身の経験とそこから得た知恵や知識を,次世代に伝授するという利他的行動場面において,聴き手の反応が高齢者の「語り」にどのような影響を与えるかについて,実験的に検討することであった。中高年男性34名(60歳–82歳)(平均年齢68.38±3.53歳)を対象に,知識や知恵を伝授するという「語り」場面を設定し,それに対する聴き手の反応(ポジティブ反応・非ポジティブ反応)および聴き手の世代(実験参加者と同世代の高齢者・若者世代)を厳密に操作した。実験で得られた「語り」行動の内容分析を行ったところ,分析対象となる発話から,3つの大カテゴリ(教訓・回想・期待)とそれらに属する7つの小カテゴリが抽出された。各小カテゴリについての発話人数の比率が,各実験条件下でどのように異なるかを検討した結果,聴き手が同世代の高齢者である場合よりも若者世代である場合の方が「教訓」についての発話が認められた人数比率が高く,さらに,聴き手が若者世代である場合のみ,聴き手がポジティブに反応した場合に,次世代に対する利他性をより含んだ「失敗経験からの教訓」について発話した人数比率がより高かった。

Copyright © 2014 一般社団法人 日本発達心理学会

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