発達心理学研究
Online ISSN : 2187-9346
Print ISSN : 0915-9029
原著(公募)
児童期後期から青年期後期における肯定的再評価と感情にまつわる話し合い:コホート系列デザインによる10年の縦断的関連
出野 美那子, 大久保 圭介, 滝沢 龍, 遠藤 利彦
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 33 巻 4 号 p. 378-390

詳細
抄録

本研究では5時点のコホート系列デザインを用い,児童期後期から青年期後期(小学4年から大学2年)を対象として肯定的再評価使用頻度の学年差を検討すること,親・友人との肯定的再評価に関する話し合い頻度と個人の肯定的再評価の使用傾向の縦断的関連を明らかにすることを目的とした。1時点目に小学4年(児童期後期),中学1年(青年期前期),高校1年(青年期中期)であった子ども294名を5年間追跡した。繰り返し測度の分散分析の結果,各コホートで,1,2時点目よりも4,5時点目の肯定的再評価の使用頻度が多いことが示された。また11時点のランダム交差遅延モデルを用いて,親・友人との肯定的再評価に関する話し合いと肯定的再評価使用頻度との縦断的関連を検討したところ,時点に共通の特性として,親・友人との話し合い特性は肯定的再評価特性と正の関係を有していた。各時点の縦断的関係としては,友人との話し合いは肯定的再評価と正の相互関係を有していた一方で,親との話し合いには肯定的再評価との関連は認められなかった。これにより,各コホートにおいて,1,2時点目より4,5時点目の肯定的再評価の使用頻度は多くなること,親との話し合いは特性としては肯定的再評価に正の関連を持つが,各時点では友人との話し合いの関連が強いことが見出された。

著者関連情報
© 2022 一般社団法人 日本発達心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top