2020 年 1 巻 J1 号 p. 473-480
老朽化が進んでいる道路橋に対して,5年に1度の頻度で定期的に近接目視点検が義務付けられている.しかし,近接目視による点検は,財源・人材・技術力の不足の課題があり,今後継続的に同様の質で点検を行うことが困難である.そのような中,画像を用いた損傷の自動検出技術による点検業務の効率化が期待されている.本研究では,画像認識を用いることで点検項目の一つであるひびわれの検出作業を補助する技術を開発する.高解像度カメラで撮影された広範囲のコンクリート構造物の画像に対してメッシュ分割を行い複数の画像に分割し,各画像をCNNで作成した画像分類器によりひびわれの有無を判定した.またメッシュ分割の位置を移動した結果を合成し平均値をとること(Average Shifted Mesh)でひびわれ箇所の検出精度・出力結果の分解能の向上を図った.