人間工学
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原著
作業姿勢に関する個人差のクラスタリング手法の提案と物体保持姿勢への適用
茅原 崇徳保志 沙那子瀬尾 明彦
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2015 年 51 巻 4 号 p. 256-264

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抄録
作業姿勢を生成する際の予測精度の向上を目的として,クラスタ分析を応用して作業姿勢の個人差を分類する手法を提案し,矢状面における荷物保持姿勢の分類に適用して有効性を検討した.被験者は12名であり,荷物保持の位置と荷物質量を変化させて5か所の関節角度(体幹前傾角,肩関節,肘関節,膝関節,足関節)を計測した.提案手法を適用し,膝関節と足関節の角度が個人差の発生要因であることを定量的に評価した.被験者は体重が軽い第一クラスタ,中間の第二クラスタ,体重が重い第三クラスタの3つに分割された.設定した作業条件の中で,低い位置における作業姿勢で個人差が顕著であり,第一クラスタは膝関節を伸展させているのに対し,第二クラスタと第三クラスタは膝関節を屈曲させていた.また,作業姿勢が類似した被験者をクラスタリングすることで,生成した作業姿勢の膝関節と足関節角度の予測精度が有意に向上することを確認した.
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© 2015 一般社団法人 日本人間工学会
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