人間工学
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51 巻 , 4 号
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総説
原著
  • 西口 宏美
    2015 年 51 巻 4 号 p. 241-247
    発行日: 2015/08/20
    公開日: 2016/07/14
    ジャーナル フリー
    GUI仕様のPCが普及し,日常生活においてもマウスなどのポインティング・デバイスを用いてOSやアプリケーションを操作する機会が多くなっている.GUI仕様のOSでは,マウスの操作感度であるD/C(Display/Contorol)比を調整することでポインティング操作時間を最小化することが可能である.マウスを操作してモニタ上のポインタを目標のアイコン上に位置決めしてクリックする「ポインティング操作」は,移動操作相と位置決め操作相の2相に分離することが可能で,D/C比は移動操作時間と負の線形関係,位置決め操作時間と下に凸の2次曲線の関係にある.本研究では,ポインティング操作時間(MT)に対する位置決め操作時間(MTp)の比であるMTp/MT比を用いて,D/C比がMTに占めるMTpの割合にどのような影響を与えるか検討した.健常者8名ならびに脳性麻痺者5名を対象にポインティング操作課題を実施したところ,両実験参加者群ともに条件として与えられたD/C比の範囲の中でMTp/MT比の値が最小となるが,MTを最小とする最適D/C比におけるMTp/MT比の値はそれよりも高い値を示した.脳性麻痺者のポインティング操作の効率化については,従来の操作機器の形状の改良やモニタ上のアイコン・サイズの拡大などの方策以外にも,D/C比の調整によりポインティング操作効率を向上させることが可能であるとともに,バリアフリーの観点から有効性が確認された.
  • 彦野 賢, 篠原 一光, 松井 裕子
    2015 年 51 巻 4 号 p. 248-255
    発行日: 2015/08/20
    公開日: 2016/07/14
    ジャーナル フリー
    高い安全性が求められる職場で働く職員の間で,しばしば「繁忙感の高さが業務の品質に影響した」との声が聞かれる.職員の感じる繁忙感の意味を明らかにし,業務品質の向上および事故の未然防止のための方策を検討することは重要である.そこで本研究では,繁忙感と関係が深いと考えられるメンタルワークロード(MWL)の概念に着目し,両者の関係を調べた.実験では事務作業を模擬した課題を用い,繁忙感に最も影響すると先行研究で示唆された,業務密度感因子を構成する4つの要因の下で課題を遂行し,それぞれで繁忙感とMWLを測定した.その結果,繁忙感とMWLは強い相関関係にあることが明らかとなった.さらにMWLの下位尺度の中では,時間圧力の他にフラストレーションが繁忙感を高めることが示された.本研究結果は,繁忙感を軽減する方策検討の一助になると考える.
  • 茅原 崇徳, 保志 沙那子, 瀬尾 明彦
    2015 年 51 巻 4 号 p. 256-264
    発行日: 2015/08/20
    公開日: 2016/07/14
    ジャーナル フリー
    作業姿勢を生成する際の予測精度の向上を目的として,クラスタ分析を応用して作業姿勢の個人差を分類する手法を提案し,矢状面における荷物保持姿勢の分類に適用して有効性を検討した.被験者は12名であり,荷物保持の位置と荷物質量を変化させて5か所の関節角度(体幹前傾角,肩関節,肘関節,膝関節,足関節)を計測した.提案手法を適用し,膝関節と足関節の角度が個人差の発生要因であることを定量的に評価した.被験者は体重が軽い第一クラスタ,中間の第二クラスタ,体重が重い第三クラスタの3つに分割された.設定した作業条件の中で,低い位置における作業姿勢で個人差が顕著であり,第一クラスタは膝関節を伸展させているのに対し,第二クラスタと第三クラスタは膝関節を屈曲させていた.また,作業姿勢が類似した被験者をクラスタリングすることで,生成した作業姿勢の膝関節と足関節角度の予測精度が有意に向上することを確認した.
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