人間工学
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原著
自動車シートの背もたれ下部の支持が脊柱アライメントと身体負担に及ぼす影響
小山 秀紀本田 啓太関口 雄介石川 博明村木 孝行太田 誠平山 健太伊藤 智櫻井 篤実出江 紳一
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2017 年 53 巻 5 号 p. 157-166

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抄録

静的座位の持続による身体負担を軽減するために,自動車シートを例に背もたれ下部の支持量の違いが,脊柱アライメント,表面筋電図,自覚負担に及ぼす影響を調べた.第3腰椎下方を目安に実験用シートの背もたれ下部の支持量を調整し,条件Aを基準,条件Bを基準から-15 mm厚,条件Cを基準から-30 mm厚の3つの着座条件を設定した.健常成人男性20名を対象にスパイナルマウスを用いて,腰仙椎角,仙骨傾斜角,腰椎弯曲角,胸椎弯曲角を調べた.また,同参加者18名を対象に3つの着座条件で20分間着座した場合の腰部の表面筋電図と自覚負担を計測した.結果,仙骨傾斜角(p<0.05),腰椎弯曲角(p<0.01),腰部の表面筋電図の平均パワー周波数(Mean Power Frequency:MPF)の相対値(p<0.05)において,着座条件間に有意差を認めた.条件Aは他条件に比べて仙骨の後方傾斜と腰椎の後弯が抑制され,腰部のMPFの低下が抑制された.背もたれ下部のサポートは,着座時の仙骨の後方傾斜と腰椎の後弯方向への変化を抑制し,腰部の局所筋疲労の軽減に寄与すると考えられた.

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© 2017 一般社団法人 日本人間工学会
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