2021 年 57 巻 6 号 p. 329-332
身体機能の向上を目的とした健康機器や福祉装具の開発が行われており,その科学的根拠を解明することは健康福祉分野の研究開発や産業の発展に有用である.本研究は健康福祉製品の1つである骨盤ベルトが股関節屈伸運動へ及ぼす影響を徒手筋力測定によって明らかにすることを目的とした.健常成人男性10名を対象とし,骨盤ベルト装着時と未装着時の2条件で股関節屈伸の最大筋力測定をハンドヘルドダイナモメーターによって実施した.測定の結果,股関節伸展側の最大筋力が骨盤ベルト装着時に有意に増加した(p=0.0019).これにより,骨盤ベルト装着時に股関節伸展筋群の筋力が増加することが確認された.