油化学
Online ISSN : 1884-2003
ISSN-L : 0513-398X
連結部に硫黄原子を含む二鎖ビス (スルホン酸塩) 型界面活性剤の合成と物性
朱 云鵬益山 新樹中辻 洋司岡原 光男
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1993 年 42 巻 2 号 p. 86-94

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抄録
二つのアルキル鎖をつなぐ連結部の中央に, スルフィド, スルホキシド, あるいはスルホン構造の形で硫黄原子を含む二鎖型ジオール化合物及び二鎖ビス (スルホン酸塩) 型界面活性剤を合成した。二鎖型ジオール化合物の乳化特性を流動パラフィン-水混合系で評価した。二本のデシル基を有する二鎖ビス (スルホン酸塩) 型化合物は容易に水に溶けた。これらの二鎖型界面活性剤と, 硫黄原子の代わりに酸素原子を連結部に有する対応する構造の二鎖型化合物の種々の界面活性能を検討した結果, 連結部中央のエーテル酸素原子をスルフィド硫黄原子で置換することにより, 臨界ミセル濃度が低下することが認あられた。連結基中央部のスルフィニル基やスルホニル基のような立体的にかさ高い構造は, ミセル形成能や表面張力低下能に対して不利な寄与をすることがわかった。これらの二鎖ビス (スルホン酸塩) 型界面活性剤は, 1-ドデカンスルホン酸ナトリウムよりも良好なカルシウムセッケン分散力を示した。
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© 公益社団法人 日本油化学会
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