多品種少量生産において,作業者は多様な作業手順を習得する必要があり,作業の標準化と習熟の促進は重要な課題となっている.本研究では,デジタル技術を活用した作業の分析・管理システムを提案し,リアルタイムに組立作業を監視し,日々の作業履歴データを収集・分析することで,作業の進捗状況や各部品の組立時間,組立順序のばらつきを可視化するシステムを開発した.これにより,従来では困難であった詳細なレベルで作業の現状を把握でき,改善すべき作業を明確化することが可能となった.また,作業者間の習熟度や組立作業のばらつきの差異を評価できるようになった.実際の生産現場に導入した結果,作業改善の優先順位を明確にし,作業の標準化や習熟向上に寄与する新たな情報として活用できることが示された.本研究は,開発したシステムを多品種少量生産における有効な作業管理手法として提案し,実際の生産現場での実証を通じてその有用性を示すものである.