人間工学
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比較判断事態における順応水準理論の実験的検討
代 喜一増山 英太郎
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1975 年 11 巻 1 号 p. 17-22

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抄録

順応水準理論 (Adaptation level theory) は, 判断の相対性の考えを基礎に, 判断における背景効果を定式化したものといえる. ここでは, Helson 以来の加重幾何平均理論の一般式, 個々の実験モデルへの演繹, 最小自乗法による未知数の推定法, が述べられ, 理論が重量の比較判断事態に適用された. 検証実験の結果, 次のように結論される. (1) 比較判断で加重幾何平均モデルはほぼ支持された. 個体別に見ると理論式の適合は更によい. (2) 標準刺激と係留刺激との判断に及ぼす効果は区別される. (3) 標準刺激の加重は0.856, 判断への過去経験効果は139.8gと推定された. (4) 精神物理関数としての対数関数はさらに検討が必要と思われる.

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© 一般社団法人 日本人間工学会
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