回転イスを用いた人間-機械系と, その機械系部分をシミュレータで置き換えた人間-機械系を構成し, それぞれの系において機械系およびシミュレータのゲイン定数を突変させることにより, 体感情報と視覚情報の両者が存在する場合と視覚情報のみの場合を比較して体感情報が制御者の適応性にどのように影響しているかを実験的に検討した.
その結果, 体感情報の効果はゲイン変化のない定常な場合に比べて, ゲインの変化した場合の適応過程においてかなり顕著であり, またゲインが変化した場合の視覚情報のみに基づく適応動作に対して, 体感情報が加わるとゲイン変化の感知率が高くなり, さらに適応時間も短くなるが, その効果は特に感知段階において大きいことがわかった.