1991 年 27 巻 2 号 p. 65-72
OA化に伴う熱負荷の偏在化, オフィスワーカーの個人差のため, 均一温熱環境をつくりだすのみで快適環境を実現することは難しくなっている. 本研究では, オフィスや居住空間において温風暖房によって発生した上下温度分布による不快を減少させることを目的として, パーソナルふく射暖房パネルの体感効果に関して報告する. 体感実験の結果, パーソナルふく射パネルは下肢の冷えを解消する効果があるが, パネル表面温度が高くなると気流速が増加し, 局部温冷感による不快感を生じる可能性があることが明らかになった. また, パネル表面温度が高温にならないように注意し, 他の暖房方式との併用によって, より快適な居住空間を形成することが必要であることがわかった.