抄録
サングリッタが暗順応に与える影響を実験的に求めた. まずサングリッタの物理的特性を計測し, サングリッタの色変化と他の物理的特性の関係を明確にした. 同時に両眼開放視力の暗順応時間を暗順応時間測定計を用いて測定し, 物理的特性との関係を検討した. 実験では矯正視力1.0以上で視機能が正常な者を被験者とし, 予備実験によって個人別の基準値を検討した. 本実験の結果, 暗順応時間はサングリッタが視野の中心付近にあるほど長く, その色がうすい黄赤のときに最大30倍程度, 遅延し, 視野の中心から30度程度離れると影響は半減することがわかった.